※写真のドワーフザリガニは、2020年11月2日より特定外来生物指定され、飼育できません。
こんにちは(o´▽`)ノ
ザリガニを飼育していると、脱皮した殻を食べている様子が多々見られます。そして、他の餌より率先して殻を食べています。
理由を調べると、カルシウム補給の為と書かれている記事が多いです。私も、漠然とそう思っていました。しかし、ある書籍を読むと違う事が書かれていたので紹介いたします。
脱皮した殻にはカルシウム成分はない?
ある大学教授がある実験をしました。
殻を食酢に浸すと、カルシウムがあれば炭酸ガスの泡を出します。
①普通の状態のザリガニの足を切り取る→泡 有り
②脱皮直後の柔らかい個体→泡 無し
③脱皮殻→泡 無し
以上の結果から、脱皮殻にも、脱皮直後の本体にも、カルシウム成分はないという実験結果が得られたようです。
どこにカルシウムがあるの?
答えは、胃石です。
胃石とは・・・胃の中に形成される結石の一種で、江戸時代には日本や西欧で薬と考えられていた様です。大きさはアメリカザリガニ?では、数mm程度、錠剤のような形をしています。
写真はメキシカンドワーフです。多分胃石だと思います。脱皮後、なくなりました。
食酢の実験では、
④胃石→泡 有り
胃石は脱皮の前に最も発達し、脱皮が終わると数日で消えてしまいます。
脱皮に伴い、体内で不足しがちなカルシウム分を、胃石として一時的に貯蔵し、脱皮後に急速に溶解させて、体内に補給し、殻を硬くしているとの事です。
脱皮前は、食欲がなくなり、不活発になります。この胃石を作る為だとしたら頷けます。脱皮直前の殻にはカルシウムがなくなるので、脱皮からは柔らかいです。だからこそ脱ぎやすいという事もあります。すごいシステムですね。
何故脱皮殻を食べるのか?
結局それについては、不明です。恐らく、カルシウム以外の栄養分(キチンなど)の摂取ではないかと思っています。
脱皮殻を繰り返し取り上げてしまうと、その個体は死亡しやすくなるという実験結果もある様です。
まとめ
食酢による、化学変化で炭酸カルシウムが溶け出し、炭酸ガスが出るようです。
本の内容が2009年であるため、新しい知見があるかもしれませんが、面白い内容でしたので紹介させて頂きました。
胃石は、脱皮の目安として捉えても良いと思います。勉強になりました。
ご覧頂きありがとうございましたm(_ _)m
参考書籍:ザリガニ 川井唯史著 岩波書店