こんにちは(o´▽`)ノ
冬の時期は、熱帯魚の発送に気を使います。発泡スチロール内の温度が低い事は、生体の死着に繋がります。如何に温度を保った状態で、相手先に届くかが大きなポイントです。
もし、ホッカイロが発熱せずに冷たいままだったら、、、当然リスクになります。発泡スチロール内のホッカイロが発熱しない事なんてあるのか?それが、あるかもしれません。
発送先の方から連絡がありました。午前中に受け取ったのに水温が冷たかったですと、、、。幸い生体は落ちていなかった様ですが、非常に申し訳なかったと思います。たまたま、大寒波と呼ばれた日でした、、、。
今回色々実験して、どんな状態で、ホッカイロが発熱するかを検証しました。
私の結論
最初に結論を述べますと、ホッカイロは、外気温が冷たい状態では、発熱はあまりしません。袋から出して、すぐに梱包してしまうと朝まで冷たいままでした。
そのため、一度ホッカイロを発熱し、かつお互いのホッカイロで温め合う状態で梱包する事で、暖かい状態を比較的保つことが出来ます。
ホッカイロの発熱について
発熱原理
Fe(固)+3/4O2(酸素)+3/2H20(水)→Fe(OH)3(水酸化第二鉄)+96kcal/mol
上記の式がホッカイロ内で起きている化学反応です。(桐灰カイロのしくみより)
鉄が酸素と水と反応して、水酸化第二鉄に反応する過程で熱が発生する、発熱反応です。
この発熱反応は、後押しがないと化学反応が起きません。その後押しを「活性化エネルギー」といいます。下の画像をご覧下さい。手書きで申し訳ありません。
鉄が水酸化鉄第二鉄になるために、活性化エネルギーが必要です。外気温が低くなればホッカイロも温まりにくくなると思います。
最適な外気温は?
こちらの記事を参考にすると、外気温20℃、湿度55%~70%の状態で、最高温度が62℃、持続時間20時間と記載されています。
つまり、20℃ぐらいないとパフォーマンスが発揮できないという事です。
私の使用しているホッカイロ(マイコール 貼らないタイプ)も、最高温度65℃、平均51℃、持続時間20時間(40℃以上を保持し、持続する時間)と記載されています。
桐灰の24時間(貼らないタイプ)も、最高温度65℃、平均温度51℃と記載されています。
どのメーカーも概ね近いのではないでしょうか。
そもそも外気温が20℃あったら、ホッカイロがなくても耐えられる生体もいると思います。実際は、外気温がもっと低い温度で発送します。ホッカイロのパフォーマンスを発揮させる為に、如何に発泡スチロール内の温度を高く保つかがキーだと思います。
ホッカイロは何時間持つ?
前述のマイコールは、最高温度65℃、平均51℃、持続時間20℃(40℃以上を保持し、持続する時間)と記載されています。
40℃以上保持時間が20時間です。そのため、ほのかに暖かい時間はもっと続くと思います。実際、今回使用したホッカイロ(低い・高い外気温を色々移動して実験していたカイロです)は40時間以上経過してもほのかに暖かいです。
発熱した状態で梱包すると、効果がすぐなくなってしまうか?
20℃で20時間保てるはずです。発泡スチロールが20℃以上ないとすぐに効果がなくなるということはないと思っています。
発泡スチロールが内が20℃以上を保つことが出来たら、早く効果がなくなるかもしれません。
比較実験
ホッカイロ3枚を利用して実験しました。若干環境が違う事をお許しください。
利用した発泡スチロールは、ダイソーで売っている発泡スチロールです。60サイズです。空気穴をフタに空けました。
梱包方法
以下の画像のように梱包しました。
カイロを袋から出してすぐに梱包
朝6℃ 水温15℃
カイロをあたためた状態で梱包
既に発熱済みのカイロを使って暖めました。
朝4℃ 水温17℃
結論
カイロを暖めていたほうが、周りの環境が低いにも関わらず、水温は17℃と高めでした。
ホッカイロ単体を外気温で放置して実験しました
開封してすぐに土間に放置
8度の場所1時間放置 ホッカイロ→冷たい
暖かくして土間に放置
8度の場所に8時間放置→冷たい
暖かい場所へ移動→ホッカイロが熱を持つ
発熱したホッカイロを2つ重ねて放置
4度の土間 あったかいホッカイロ重ねる2時間放置→暖かい
分かった事
冷たい場所にそのまま放置していると、発熱する前は勿論、発熱した状態でも冷たくなる。
発熱したカイロを重ねる事で、お互いの発熱により、化学反応が促進され、冷たい場所でも少しは暖かい。
要検討事項
今後の検討事項がいくつか有ります。
・空気穴をどの程度開けておくか
酸素がないと反応しません。しかし、外気を入れすぎると冷たくなってしまいます。
・空気穴をどこに空けるか
・発泡スチロールのサイズによって、余裕スペースが違い、空気のある量が違います。
・トラックでの振動
トラックの振動によって、カイロが振るわれ、未反応部分が外気に露出しやすくなると思います。
・トラックの荷台の温度
・トラックに運ばれるまでの外気温(営業所は暖かいです)
・そもそもの最低気温が時期によって違う
その他実験結果
参考にご覧下さい。全てカイロを開封してすぐに梱包しました。
●開封してすぐに、上部に2枚設置 計2枚
朝:8度 水温14度 カイロ冷たい
●穴の位置を塞ぐようにして1枚はりつけ 1枚上部に設置 計2枚
朝:8度 水温15度 カイロ若干暖かい→19:00 カイロ冷たい
●穴を塞ぐように上部、側面にそれぞれ1枚設置 計2枚
朝:6度 水温15度 カイロ冷たい
●上部 側面はりつけ 上部1に更に1枚 計3枚
朝:6度 水温15度 カイロ冷たい
まとめ
色々やってみましたが、奥が深いです。
熱帯魚屋さんに梱包方法を伺いましたが、ホッカイロは暖めずに入れているみたいです。
要因が様々ですので何とも言えませんが、事前にカイロを暖めておく、もしくは一部暖めておく事は、カイロの持続的な発熱に寄与するのではないかなと個人的には思っています。
ご覧頂きありがとうございましたm(_ _)m