こんにちは(o´▽`)ノ
アクアリウムの定番の生餌として有名なアカムシ(赤虫)ですが、何の虫か、また栄養素、原産地などはあまり知らない方も多いと思います。
また、うまく与えないと水槽内の上部に浮かんでしまい使いづらい面があります。
今回は、アカムシについてまとめました!
アカムシ(赤虫)とは?
赤虫(以下アカムシ)とは、ユスリカの幼虫です。ユスリカはハエ科の羽虫です。自転車に乗っていると、よく虫の大群(蚊柱)に突っ込むことがあります。彼らです。
ユスリ「カ」と称していますが、蚊とは違う「科」に属しており血は吸いません。
ユスリカ(揺蚊)はハエ目(双翅目)・糸角亜目・ユスリカ科(Chironomidae)に属する昆虫の総称。和名は幼虫が体を揺するように動かすことに由来すると言われる。
引用:wikipedia
拡大すると下のような個体になります。
原産地は中国
いくつかのメーカーで調べましたが、原産地は中国が主の様です。
中国の自然保護地区の農場で養殖された赤虫を使用していますので、化学薬品などの有害物質で汚染されていません。
引用:キョーリン
アカムシの栄養
アカムシの栄養素は以下になります。
蛋白質 脂質 粗繊維 水分 6.3% 0.8% 0.3% 89.7% 引用:キョーリン
9割が水分です。また、栄養素の殆どがたんぱく質である事が分かります。ただし、この表は粗灰分(ミネラルの総量)が記載されていません。
アカムシは栄養が偏る?
アカムシは天然産物のため栄養が偏ると言われています。
前述の分析では、殆どが動物性たんぱく質です。人工餌は、植物性たんぱく質、ミネラルや、ビタミン群など満遍なく栄養素が添加されていますので、人工餌の併用が望ましいと思います。
※商品(例えばクリーンアカムシ)によってはビタミンが添加されています。
以下は、私が利用しているグロウの成分表です。大豆(植物性タンパク質)、ビタミン、ミネラルの記載があります。
食べすぎで消化不良を起こす?
魚には満腹中枢がないと言われていますので、餌があればどんどん食べてしまいます。アカムシは、みなさんお好きですので食べ過ぎてしまう場合があるようです。
食べ過ぎた故に消化が間に合わず消化不良になったり、糞詰まりになったりしてしまうようです。
亜硝酸ソーダに注意
商品によっては、亜硝酸ソーダ(NaNO2)を使用しているようです。
亜硝酸ソーダは、食品添加物としてハムやソーセージに使用されています。効果の1つとして、発色を保ちます。人間の食品ならば規定量が定めてありますが、熱帯魚の世界ではそのような基準はありません。
以下のリンクで、亜硝酸ソーダを利用している商品としていない商品の比較画像がありますので、ご参照ください。
参考:さんみの冷凍赤虫
亜硝酸は、血中内のヘモグロビンに作用し、酸素を運べなくしてしまうやっかいな物質です。
亜硝酸については以下にまとめています。
≫【何故バクテリアが必要?】水槽内の浄化の仕組みについてまとめました!
現在亜硝酸ソーダが使われている商品があるかはわかりません。
アカムシを与えるメリット
アカムシを与えるメリットといえば、食いつきでしょう。生餌はやっぱり魚にとってご馳走です。どんどん食べます。家に到着した時ガリガリだったコリドラスも、アカムシをみっちり与えた所体型もよくなりエネルギッシュになりました。
また、拒食になったり、餌付かせる、産卵をさせるためにアカムシを利用していくのも良いと思います。
私は人工餌とアカムシ併用しながら与えています。
ちなみに、私が利用しているグロウは、わりあい食い付きがいいです。商品レビューにも「食い付きが良い」と評判です。
ブラインシュリンプやヨコエビが原料のちょっと変わった餌であるファンチップスも食い付き良いです。
UV殺菌していないアカムシは菌がついている?
アカムシは、鶏糞などを利用して増やされています。当然色々な菌が付着しています。冷凍では死なない菌もいます。また、プラナリアなども付着しています。こちらを懸念したのが、クリーンアカムシなどのUV殺菌したアカムシです。
ただし、菌によって病気になる可能性かどうかは賛否両論あります。どちらの意見(どちらもベテランアクアリスト様)もお聞きしたことがありますが、どちらも、ご尤もと思いました。
殺菌されていないアカムシは、洗って使用した方が良いと思われます。
冷凍アカムシを与えるコツ
プロホースを使う
アカムシは、何もしないと水面に浮いたままになってしまう事が多いです。かき混ぜても全部を落とすのは面倒です。
私の水槽はオーバーフローですので、最悪濾過槽に落ちてしまいます。対策として、水流を止めていました。が、あまりスマートではないです。ポンプを回すのを忘れたりします、、、。
●アカムシを浮かずに落とすコツ
溶かしたアカムシを、筒に入れて落とす
ここで利用できるのが、プロホースなど糞掃除で使う筒です。
≫【水作プロホース使用】水槽の糞掃除を簡単に行う方法について
まず、冷凍アカムシを溶かします。溶かす事で、不純物を取り除けます。ものによっては体液の流出によって水が赤く染まったり、泥が残っているそうです。UV殺菌をしていない商品は、与える前に洗浄することをおすすめします。下の写真はクリーンアカムシですが、あまり赤く染まりませんでした。
網や茶こしで、アカムシを集めます。
パイプに流し込みます。
どんどん落ちていきます。
いい感じに落ちました。
もぐもぐバスケットを使う①
キョーリンから発売されているマグネット式エサ入れ、もぐもぐバスケットも使いやすいです。
中にアカムシを入れて、壁面をスライドします。ガラス越しにマグネットで引っ付け、そのままスライドします。
コリドラスがもふもふしている姿が楽しめます。
もぐもぐバスケットは、とても便利です。ただし、凍ったままのキューブを中に入れなければなりません。溶かしたアカムシを入れると、とても入れづらい上に、下にスライドする前に霧散します。水面には浮かびませんが、、。
使用レビューを以下に記載しました。
≫【アカムシが浮かばない】もぐもぐバスケットについて良い点・注意点等まとめました!
もぐもぐバスケットを使う②
針金をもぐもぐバスケットにつけて、水槽にかける方法です。これは私が思いつきでやって意外によかったのでご紹介します。
アカムシをセットし、吊り下げておきます。
ある程度解けてきたら、ゆさゆさと揺らすとアカムシが散らばります。
水中にあまり浮かびませんので、水槽に散らせたい時は是非やってみてください。
上の写真のアカムシは、阿蘇のこだわりあかむしです。アカムシが小さいので、小さい生体にとても良いと思います。
≫阿蘇(ASO)のこだわりあかむしについて良い点、注意点をまとめました!
(冷凍焼け)アカムシも古くなります。
昔購入してすっかり忘れていたアカムシが出てきました。真っ黒です。
新しいアカムシは赤黒い感じです。
水に入れると明白です。左が古いもの、右は新しいものです。
黒くなるのは、所謂冷凍焼けです。長期保存すると、アカムシが乾燥、酸化し冷凍焼けが起きます。アカムシの色素は、エリスロクルオリンという呼吸色素です。人間でいうヘモグロビンです。鉄成分を含んでいますので、酸化によって黒くなったのだと思っています。
冷凍焼けの原因は、長期保存による酸化だけではなく、出し入れによる温度変化も重要です。冷蔵庫を開けることで、温度があがりアカムシが溶ける→再度凍るを繰り返す事で、空気が細胞内に触れやすくなってしまいます。
ディープフリーザーや専用の冷蔵庫が無い場合は、大量に購入するのではなく、数ヶ月で使い切るぐらいが丁度良いと思います。
まとめ
アカムシは、高たんぱくでカロリーも高いです。アフリカ最大の湖ヴィクトリア湖では、ユスリカが大量に発生するそうです。現地では、濡らしたフライパンを振り回して集めて、何とハンバーグにするそうです。現地では貴重な蛋白源となっています。
生体のおやつにいかがでしょうか?ちゅるちゅると食べている姿がかわいいですよ(o´▽`)ノ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。